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生キャラメルへの想い

「生キャラメル」とノースプレインファーム
落ち込む牛乳の消費拡大と新しい地産地消のために

生クリームと自家製醗酵バターをふんだんに使った人気商品・生キャラメル。
これはノースプレインファームでも特別に思いの深い商品です。
1988年の創業時、私たちは地域への牛乳の宅配業を主に行っていました。
しかし1990年代末期から2000年代にかけて、地域の人口減少や食生活の変化などによって売り上げは低迷していきます。

私たちは地域の方だけに買っていただく地産地消に限界を感じ始めました。
そこで考えるようになったのが、地元だけでなく全国の方に私たちを知っていただき、
おこっぺに来て商品を買っていただく新しい地産地消の形です。

オホーツクおこっぺ牛乳

牛乳が出荷できない事態
「生産調整」が起きてから

それと時期を同じくして、全国でも生乳の生産量に対して牛乳・乳製品の消費量が落ち込むという事態が起こっていました。
これは生乳の行き場が無くなることを意味します。
牛が人間の都合に合わせて出す乳を減らすことはできないため、搾ったばかりの生乳を廃棄する「生産調整」が行われました。
これは牛を大切に育てている私たちにとって、とても辛いことでした。
そこで私たち余った牛乳を有効に使いながら、
全国の方におこっぺに来ていただけるような新たな方法を模索し始めます。

そのひとつが牛乳を使った新商品の開発でした。

今までにないキャラメルで
牛乳の新しい価値を生み出す

当社スタッフのみならず、地域の大手乳業メーカーや農業研究施設、さらには道内の大手菓子メーカーの方々の力を借りながら、さまざまな案を練り始めました。たくさんの牛乳を使用するキャラメルも候補に挙がりましたが、決定打に欠けました。

そんな頃、代表の大黒がある方から「大人でも食べられる歯にくっつかないキャラメルを作れませんか」という言葉をかけられます。

―それが実現できたら、おもしろいかもしれない。
この言葉に背中を押されて試作に乗り出しました。

今までにないキャラメルで牛乳の新しい価値を生み出す

当時、キャラメルは子どものお菓子というイメージでしたが、試作を重ねるうちに、原材料の吟味や温度管理によって複雑な食感や風味を作り出せることがわかってきました。中でも生クリームをたっぷり使うと、「歯につかないキャラメル」が実現できたのです。

しかし生クリームを使うため、冷蔵保存が必要に。キャラメルは常温保存が常識だった中、冷蔵するキャラメルは斬新なものでした。

主原料となる生クリームは、あえて地域の大手乳業メーカーから仕入れたものを使用しました。生クリームを作るにはたくさんの生乳が必要です。これによって地域全体の生乳の消費量を上げるのが目的でした。
砂糖やはちみつ、塩、果汁などの原料も、オホーツク地域の良質なものを厳選しました。生キャラメル1個で、地域全体がうるおうことを目指したのです。

今までにないキャラメルで牛乳の新しい価値を生み出す

地域とともに歩む
牧場の象徴でもある生キャラメル

多くの方の知恵と地域の生産者の協力によって誕生した生キャラメルは、
2006年、札幌駅の小さな店舗で発売が始まります。反響は予想以上でした。
初日からお客様があふれ、製造に追われ札幌店での販売で精一杯な日が続きました。
また、これをきっかけに各地で生キャラメルの製造販売をするお店が増えて
当初の目的どおり、生乳の消費拡大に一役買うことが出来たのでした。

しかし残念ながら、爆発的に売れたのはほんの数年間のこと。
やがてブームは去り、販売量は低落してしまいます。

オホーツクおこっぺ牛乳

けれども私たちは、生キャラメルを生み出したことを誇りに思っています。
牛乳の新しい価値を提案できたこと、牛乳の消費拡大に役立てたこと、地域への貢献ができたこと、
何より、ノースプレインファームを全国の皆様に知っていただけたこと、
そしてたくさんのお客様におこっぺにお越しいただけるようになったこと。
そんな私たちの願いが実現されたからです。

生キャラメルは、現在では直営店のミルクホールで
少量の製造・販売を続け、その製造技術を守り続けています。
今でも生キャラメルを目指して多くのお客様が足を運んでくださるのを、
私たちは心からうれしく思っています。

酪農を守り、地域とともに歩む牧場でありたい。
これからも私たちは、その思いを皆様にお伝えし続けたいと思っています。